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【イチから分かる】日医会長選 政権との距離感で混沌(産経新聞)

 全国の医師約17万人が加入する日本医師会(日医)の会長選が4月1日に行われる。自民党政権時代には巨額の政治献金を背景に診療報酬改定などで大きな影響力を行使してきた日医だが、政権交代後は一転して現政権から冷遇されており、現職、新人合わせて3人が争う会長選も「民主党との距離感」が最大の争点だ。(桑原雄尚)

 日医会長選は、今のところ現職の唐沢祥人氏(67)に茨城県医師会長の原中勝征氏(69)、京都府医師会長の森洋一氏(62)の新人2人が挑む三つどもえの構図。

 唐沢氏は昨年9月に3選へ向け出馬表明したが、4年前の会長選で自民党との関係強化を訴え当選したことが裏目に出て現政権とはパイプを築けないでいる。診療報酬を決める中央社会保険医療協議会(中医協)からは日医執行部の委員が全員外された。夏の参院選に向け自民党単独支持は撤回したが、現職の組織内候補の西島英利参院議員を自民党から擁立する方針は継続している影響が大きい。

 そこに名乗りを上げたのが原中氏。昨年の衆院選では後期高齢者医療制度廃止を求めて民主党支持を打ち出し、小沢一郎幹事長とも親しい。昨年10月の出馬会見では民主党との太いパイプをアピールし、今年1月には西島氏の擁立見直しも明言した。ただ、会員からは「民主党との関係は評価するが、日医全体を動かす能力があるのか疑問」(地方医師会幹部)と不安の声も漏れる。民主党側も「きちんと会員を仕切れる人が会長でないと困る」(中堅議員)との見方が有力だ。

 日医、民主双方の声を受け、2月に森氏が「政治に左右されない日医を目指す」と出馬を表明した。森氏は日医役員の一人だが、中医協委員に京都府医師会幹部を送り込むなど民主党とも良好な関係を築く。森陣営の幹部は「民主党と上手に付き合いながら、広く会員の支持を得られるのは森氏だけ」と強調する。

 だが、こうしたシナリオもここに来て崩れ始めた。2月14日の大阪府医師会長選で、原中氏を支持する元日医常任理事の伯井俊明氏が森氏の有力後援者でもある現職の酒井国男会長を破るなど、地方医師会で原中氏を支持する動きが広がり始めたからだ。3候補とも決め手を欠く中、水面下では唐沢、森両陣営の間で合従連衡の動きも出てきており、民主党サイドは様子見を続けざるを得なくなっている。

 ■かつては集票力誇示 弱まる政治的影響力

 日本医師会は医学教育の向上や医学と関連科学との総合進歩などを目的とする社団法人で、大正5(1916)年に「日本の細菌学の父」といわれる北里柴三郎氏らによって設立された。シンクタンクの日医総研などを通じて医療政策の提言や学術活動を行う一方、政府へ大きな影響力を行使してきた。医療制度や医師の収入となる診療報酬は政府が決定するからだ。

 昭和32年から57年までの25年間会長を務めた故武見太郎氏は“ケンカ太郎”と呼ばれ、意に沿わない政策にはストライキを敢行。52年の参院選全国区では自民党公認の組織内候補が約130万票を獲得するなど集票力も誇示し、日医に有利な政策を実現させてきた。

 だが、国の財政悪化から医療費が抑制されるのに合わせて日医の影響力は徐々に低下。小泉政権では平成14年に医師の技術料にあたる診療報酬の本体部分が史上初めて引き下げられ、“反小泉”を掲げる植松治雄氏が会長に就任したものの、診療報酬はさらに減らされた。

 小泉政権との関係修復を訴えた唐沢氏が会長となってから診療報酬はプラスに転じたが、政権交代で改めて政治との関係が問われる状況になっている。

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by wkisgw98fe | 2010-03-18 18:03


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